便秘について

便秘について

「快食・快眠・快便」という表現があるように、快適な便通は健康のバロメーターだと言えます。
毎日の生活にちょっとした工夫を取り入れて、便秘を解消しましょう。

便秘の定義

便秘の定義「自然な排便メカニズムが乱れ、便が長時間腸内にとどまり、不快に感じたり、排便に苦労したりする状態」になることが「便秘」です。
「自然な排便メカニズム」には、個人差があり、毎日の便通は必須条件ではありません。たとえば、2ないし3日に1度の便通でも、それが規則的かつスムーズであり、排便後にいつもすっきり満足できれば便秘ではなく、自然な排便メカニズムに含まれます。

便秘が引き起こす症状

おなかの症状について記載します。

腹部膨満

腹部膨満

おなかが張っている状態ですが、これは便がたまるだけでなく、ガスが発生しやすくなっている場合もあります。便秘では、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が繁殖し、腐敗を起こしてガスが発生しやすくなります。おなかの張りには、腸が閉塞したり、狭くなって便やガスの通過が滞っている器質的な病気のケースもあり、その場合は早急な受診が必要ですのでご注意ください。

腹痛

腸にたまった便やガスが原因となって腹痛が起こることがあります。便秘で腸が詰まっていても、腸の入口の方では便やガスを出口の方に送ろうと働き続けるため、痛みが生じます。左下腹部にあるS状結腸など、下腹部に痛みが起こるケースが多くなっています。

肛門疾患、便秘と痔

  • 内痔核

肛門の内側にある直腸との境にできた静脈のかたまりを内痔核といいます。便秘による無理ないきみなどによって静脈がうっ血してふくらみ、出血しやすくなるものです。進行してその付け根の粘膜がゆるんでたるんだ際に、内痔核が肛門の外に飛び出てくると「脱肛」となります。うっ血の場合には軟膏で炎症を抑える治療で症状が改善しますが、粘膜がたるんだ脱肛は手術でなければ治せません。なお、内痔核だけでなく、肛門周囲にも静脈のかたまりがあると「内外痔核」となります。

  • 裂肛

肛門皮膚粘膜が裂けた状態であり、いわば外傷です。無理ないきみや便秘で硬く太い便が出ることで、肛門の通り道(肛門管)に裂傷を生じます。裂肛を繰り返すと、肛門粘膜は繊維化してしまい、肛門管が狭くなっていくため排便が困難になりやすいと言えます。裂肛が浅ければ軟膏で炎症を抑えることで改善しますが、繰り返したり、すでに粘膜が繊維化している場合には手術を検討する必要があります。また便秘の治療をしコントロールすることも裂肛を繰り返さないためにはとても重要です。

慢性便秘の種類。

習慣性便秘

習慣性便秘

生活習慣が原因となっているこの便秘は、現代で一番多いタイプです。仕事や学業が忙しく、朝ギリギリまで寝て、起きたら朝食抜き、トイレに行く時間も惜しんで出かけてしまう生活は便秘になりやすいものです。自然な便意は、起きて朝食を摂り、胃腸が目覚めると起こります。朝食を抜いてしまうのは、便秘の大きな原因となります。また、便意は我慢していると15分くらいで消えてしまいます。我慢する習慣がついてしまうと、便意の感じ方が鈍くなり、便意を催さなくなってきます。長い時間、腸に便がとどまっていると、水分がどんどん吸収されるので便は硬くなっていきます。するとさらに出しにくくなるため、便秘が慢性化してしまいます。

弛緩性便秘

腸の緊張がなく弛緩していることで、便が溜まってきても便意が弱く、同時に便を送り出す力(蠕動運動)も弱くなるので、スムーズにいきんで出すことができず便秘になります。腸に便がとどまる時間が長くなり、水分がなくなって便が硬くなるため余計に出しにくくなることがあります。
また、便秘で下剤を使いすぎると、腸の反応が低下し、かえって便秘を治しにくくなることもあります。他の便秘でも有効な食物繊維や水分を多く摂って便の量を増し、便通を促進するといった対策だけでなく、腹筋などを鍛えることも重要になってきます。

痙攣(けいれん)性便秘

ストレスや疲労によって大腸が強く収縮して、便が通りにくくなっておこる便秘です。硬くて丸いコロコロした便が特徴で、これは腸にとどまっている間に便の水分が吸収されてしまうことで起こります。便秘薬は腸の緊張を高めるので、このタイプの便秘には避けるべきです。
過敏性腸症候群では、こうした便秘と下痢と繰り返すケースも珍しくありません。
痙攣性便秘には、水に溶けない繊維の刺激が強すぎるため、こんにゃくのように刺激の少ない水溶性の繊維を摂るようにする必要があります。野菜は繊維の少ないものを選んで摂り、特に繊維が多いパイナップルやいちじくなどは避けるようにしましょう。メニューは、水溶性の繊維を含むもの、消化の良い白米・食パン・うどんなどの穀類、脂肪の少ない肉類、白身魚、豆類などを中心にして、味付けを薄くすると効果的です。

便秘解消法

便秘は、生活習慣、食事、薬で解消できますが、薬での解消はメデリットもあるため、まずは生活習慣や食事を改善していきましょう。

生活習慣の改善

便秘解消法

朝の習慣でスムーズに!
朝、起きたら朝食を摂って、15~30分後に必ずトイレにいくようにします。便意がなくても何分かトイレにとどまるようにしていれば、規則的な排便リズムが生まれてきて便意が起こるようになってきて、スムーズに排便できるようになります。朝食はまだ眠っている身体を目覚めさせて胃と大腸を動かす反射を起こし、それにより便意が自然に起こります。数日で改善とはいきませんが、根気よく続けることで効果が出てきます。

便意を逃さない

便意を我慢すると、それを起こしている直腸や結腸の反射が消えて、便意がなくなってしまいます。便意の我慢を繰り返すことで、神経の働きが鈍くなり、便意を感じにくくなりますし、腸の運動が弱まるので便秘の慢性化につながります。便意があったらすぐトイレに行く習慣をつけましょう。

起きたら、すぐにコップ1杯の水を飲む

朝、目覚めた時はまだ内臓が眠っています。起き抜けにまずコップ1杯の水を飲むことで、腸が目覚め、活発な活動を開始しはじめます。

食生活の改善

きちんと3食摂りましょう。
規則正しく食事を摂ることで身体のリズムも整い、消化や排泄も規則的になっていきます。大切なのは、毎食、できるだけ決まった時間に食べることであり、特にこの時間でなければということではありません。生活スタイルに合わせて無理のないスケジュールで規則正しく食事を摂りましょう。

水分

便が適度なやわらかさを持ったままであれば、スムーズに排便できます。腸内で水分を吸収され過ぎて便が硬くなると排便しにくくなるので、便秘の方は水分をできるだけ多く摂るように心がけましょう。

食物繊維

食物繊維は消化されず、水を多く含むことができるので便に食物繊維が多ければ便の量が増えます。便の量が増えると大腸をしっかり刺激してくれるので、腸の働きが高まり、スムーズな排便を促します。ただし、便秘のタイプによっては、野菜のように水に溶けない繊維質ではなく、こんにゃくのような水溶性の食物繊維を積極的に摂る必要がある場合もあります。しっかり診察を受けて確認しましょう。

果物

果物には食物繊維が多いものがありますし、含まれている果糖が大腸を刺激して水分を引き込む作用を持っているため、便秘解消に役立ちます。さらに、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸を含んでいる場合、それが腸を刺激してくれる作用も期待できます。

脂肪

脂肪分にはおだやかに腸を刺激する作用もあるため、適量を摂るよう心がけましょう。

ビフィズス菌

腸内に便が溜まるようになると悪玉菌が増えて腸内の環境が悪化し、さらに便秘をなおりにくくします。腸内の善玉菌が増えれば環境は改善しますので、善玉菌の代表であるビフィズス菌が多く含まれたヨーグルトなどで腸内環境を整えましょう。

オリゴ糖

便秘に効果的だとされている機能性食品の代表がオリゴ糖です。オリゴ糖はビフィズス菌の餌になり、分解されると乳酸などの有機酸を発生させて腸の動きを高めます。また、このことから、アルカリ性を好む悪玉菌の繁殖を抑制する効果も期待できます。

適度な運動

大腸の動きを活発にするためには、血液循環を良くする運動も大切です。運動で腹筋が鍛えられれば、便を押し出すために必要な筋力強化も得られます。ストレスが大きな原因のひとつになっている痙攣性便秘では、精神的負荷を除く効果も期待できます。たまに激しいスポーツをするより、ストレッチや1駅歩くなど、軽く適度な運動を毎日行うことが重要です。

マッサージ・指圧

おなかのマッサージは大腸への刺激になり、その動きを活発にしてくれます。お腹の外周をマッサージすると効果的です。腰へのマッサージやツボ押しなども便秘解消につながります。

ストレスを上手に解消

疲労やストレスが積み重なると自律神経の働きを乱します。これにより腸の働きも乱されて便秘になりやすい状態になりますので、上手にストレスを解消し、しっかり休むようにしましょう。気にし過ぎてストレスにならないよう、じっくり無理なく生活や食習慣を改善していきましょう。
便秘と下痢を繰り返す「過敏性腸症候群」の場合、ストレスや疲労が影響することがあり、精神的なアプローチで治療することが効果的な場合もあります。専門医のいるクリニックで、きちんと検査や治療を受けることをおすすめします。

便秘にお悩みの方は、当院までご相談ください。

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